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【為替】「7月の円高」、2025年は違うのか? | 吉田恒の為替デイリー | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア
2022年から続いた「7月の大幅円高」=主因は夏休み前のポジション整理か
ここ数年、7月は米ドル安・円高が繰り返されてきた。まだ記憶に残っているだろう2024年の7月は、161円から149円まで最大12円以上もの記録的な大幅な円高となった。また、2023年と2022年の7月もともに最大で7円前後と、かなり大幅な円高が起こっていた(図表1参照)。このように7月に大幅な円高が繰り返された背景は何だったのか。
【図表1】米ドル/円の月足チャート(2021年~)
出所:マネックストレーダーFX
ヘッジファンドの取引を反映するCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションを見ると、2022~2024年は8月にかけて売り越し(米ドル買い越し)が縮小するパターンがあった(図表2参照)。
【図表2】CFTC統計の投機筋の円ポジション(2022年1月~)
出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
すでに見てきたように、7月は大幅な円高が繰り返されたため、8月にかけて円売りポジションの利益縮小、さらには損失拡大を回避するために手仕舞いに動いたという面もあっただろう。ただ、それではなぜ7月に大幅な円高が起こったかの説明にはならない。
むしろ円売りポジションの手仕舞いが主導的役割を果たしたのではないか。夏休みに入る前に、過大なポジションを整理する。円売りポジションの手仕舞いに伴う円買い戻しが円高をもたらし、その円高によってさらに円売りポジションを減らす動きが広がり、「7月の大幅円高」が繰り返されたのではないか。
2025年は「7月の円安」?=鍵はクロス円か
2022~2024年に起きた出来事が上記の通りならば、この2025年は「7月の円高」は起こらないということになるだろうか。投機筋の円ポジションは、2024年までと異なり、まで大幅な買い越しが続いてきた。夏休み前の過大なポジションの整理が、7月の米ドル/円の方向性に重要な役割を果たすなら、2025年は円買いポジション整理の円売りによって、むしろ「7月の円安」になるのだろうか。
ここで1つ鍵になりそうなのは、ユーロ/円などクロス円のポジションかもしれない。米ドル/円が年初に比べてなお米ドル安・円高水準での推移となっているのに対し、ユーロ/円は2月に154円までユーロ安・円高となったものの、最近は170円以上のユーロ高・円安に戻ってきた。大幅なユーロ高・円安となった中で、投機筋を含め為替市場のポジションも、ユーロ買い・円売りに傾斜している可能性があるのではないか。
【図表3】ユーロ/円と日独2年債利回り差(2025年4月~)
出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
ユーロ高・円安は、6月以降は日独金利差(ユーロ優位・円劣位)から大きくかい離したものだった(図表3参照)。金利差の裏付けのないユーロ高・円安が逆流、ユーロ買い・円売りポジションの手仕舞いが加速することで、米ドル/円にも円高要因が波及する可能性に注目したい。